私がピルを飲み始めた理由はふたつあります。
ひとつは、彼氏ができたことです。この時はお互いに学生だった為、望まない妊娠を避ける目的でした。
もうひとつの理由は、私がPMDD(月経前不快気分障害)だったことです。
PMDDであることは医師から診断が下りて初めて知った病名でした。
具体的には、生理が始まる前の一週間の気分の低下、抑鬱状態、情緒不安定などが多く、非常にヒステリーになっていました。そして生理が始まると、次は布団から起き上がることやトイレにいくこともつらく感じるほどの生理痛・腰痛に悩まされていました。経血の量も多く、生理痛が原因で嘔吐することもありました。
「たかが生理で」と言われたこともありましたが、生理初日~3日目くらいまでは本当につらくて、日常生活にも支障が出ました。
周囲から「仮病ではないのか」と言われたこともありました。女性の場合は説明をすると理解を示してくれる人もいたのですが、男性などには説明が難しいこともあり、周囲から孤立してしまう程、生理が生活を邪魔していたのです。
彼氏ができた時期とほぼ同じタイミングで「子宮内膜症などではないか。放置すると不妊の原因になるのでは?」と母に心配され、産婦人科に行ってみる決心をしました。
そこでPMDDという診断がされ、低用量ピルを飲むことになりました。
2、ピルの種類や処方された病院などについて
私が最初に足を運んだ産婦人科は、自宅の近くにあるクリニックでした。
婦人病の検査や薬物療法、健康診断などをメインにしている雰囲気があり、通っている女性は多かったですが、出産が近そうな方はいませんでした。また、男性の姿もありませんでした。
クリニックとは別に、リラクゼーションやカウンセリングサロンも併設している病院でした。
血圧・血液検査、子宮ガン検査、超音波検査を行い、ピルを処方して貰いました。
血液検査の結果は即日ではわかりませんでしたが、他の検査で異常がなかったこと・病歴に問題が無かったことから低用量ピルを処方してもらいました。
1シート3000円で、PMSやPMDDに効果的なマーベロンという種類のピルを処方して貰いました。
ピルにはいくつか種類があるそうですが、マーベロンはホルモンバランスを一定量に保つ一相性タイプと呼ばれるタイプなのだそうです。
他にも3相性タイプというホルモン量が段階的に変わる種類もあるそうですが、私は一相性タイプしか飲んだことがありません。
3、飲んでみての感想
医師からは「最初の1ヶ月は体調を崩すかもしれない。また、生理周期が安定してくるまで3ヶ月くらいかかるだろう」という説明を受けたので少し覚悟をしていたのですが、びっくりするほど何もありませんでした。
1ヶ月目から、偽薬3日目の夜に生理が来るようになり、6日程度で終わります。吐き気などのピルの副作用などはありませんでした。
一方で、PMDDが劇的に改善したということはありませんでした。こちらは半年~1年くらいかけてゆっくりと改善されていった印象があります。
一番大きな変化は、不安やヒステリー状態が出血が始まった瞬間治まるようになったことです。周囲からは「まるで人が変わったみたいだ」と言われましたし、自分でも驚いています。
生理が始まるのはまだかまだかとそわそわすることも少なくなり、生理周期が安定することがこんなにも安心できるものなのかと感心してしまいました。
4、今回の感想
学生時代から低用量ピルを飲み出して、現在10年近くなります。
この間に、望まない妊娠をすることはありませんでした。
「生理が飛ぶ」という体験をしたときは驚きましたが、医師からの説明を受けて安心したことを強く覚えています。
PMDDの症状は、精神面に大きな効果を発揮しました。ずっと飲み続けていて、それでもまだ気分が落ち着かないこともありますが、だんだん慣れてきたように思います。
精神状態が安定していると身体の症状も軽くなったように感じ、日常生活に支障が出ることも減りました。
ピルを処方してもらう為に定期的に産婦人科に通い、必要に応じて婦人病の検査もしてもらっているので婦人病の予防や早期発見にもなるのかなと思っています。